2012年12月21日金曜日

かなしみ

僕の口から零れる音が全て本当だと思っている?
君の口から零れる音を僕が全て信じると思っている?
ねぇ、僕ら騙し合って隠し合って生きているんだよ。
誰かの言葉が今の僕を苦しめるように、僕の言葉が誰かを苦しめていればいい。
自分の言葉に感化される誰かが今この瞬間に存在しているなんてとても素敵じゃないか。
本当は何もかもを盲目的に信じていたい。
涙は渇いても枯れはしない。
生きている限り。
開けたピアスの穴から見える明日。
突き立てた爪の間から滲む憎悪。
汚れた空気に満ちた体内から溢れる死。
僕らは常に誰かを想っていないと生きてはいけないのです。
まるで呪いだね。
君の中で息衝く誰かが僕を見ている。

2012年12月7日金曜日

諦め

始まりが来れば何時か終わるし、終わりが来ればまた始まる。結局全てが始まる事と終わる事の繰り返しなのだと思う。ただ、始まる前から終わりを嘆くのはなんだか切ない。それが幾ら間違いの無い事だとしても。どうせ何時か僕らの命は終わる。それは死として。生を受けてから、死はずっと待ち構えている。誰も免れられない。何時か全ては無に返る。何の為に生きているのだろうと思うけれど、死は何時か来るとわかっているのはある意味救いである。苦しみも悲しみも飲み込まれそうな絶望からも、抜け出せる時が必ず来るのだから。終わりを憂いても仕方のない事だから、どうせなら始まりを楽しみましょう。終わるまでの瞬間を。

2012年12月4日火曜日

冬の

すっかり寒くなって冷たく澄んだ空気を肺いっぱいに吸い込むと身体が縮こまる気がする。月や星の光がまっすぐ届く冬の空は好きだ。空から雨として水が降ってくるみたいに時々星が降ってくればいいのにと思う。小さなガラスの小瓶に集めて持ち歩いていれば何か願い事が叶いそう。
そういえばこの間先輩が言っていた。「月の土地を買ってプレゼントするのが流行ってるらしいけど、ロマンがあるよな」。そうかなーなんて考えてた。月の土地を貰ったところで今どうにかできるものじゃないじゃん。月の土地をくれるより隣で一緒に月を見てくれる方がよほど嬉しいと思うのはわたしだけかしらね。